『演じられたタイムトラベル』感想

演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫)
演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫)
密室からの脱出ゲームモノです。
ゲームの参加者たちは、あるゲームサークルの元メンバーで
そのサークルで作っていた『スマート・オブ・ザ・デッド(略称SOD)』をモチーフにしたゲームを
実際に自分たちがプレイさせられます。

オブ・ザ・デッドとあるとおりSODはゾンビモノ。
プレイヤーはショッピングモールからの脱出をめざします。

この小説でおもしろいと思ったのは、彼らが閉じ込められたショッピングモールが
床に書かれた模式図であるところです。
線で囲まれた部分が部屋。部屋の枠の太い線が扉。そこから伸びる点線が階段というように
表現されています。
部屋を表す線からはみだしてはいけません。人間が壁を貫通できるわけがないからです。
映画『ドッグヴィル』のようだと言うとわかりやすい方が多いと思います。
もちろんゾンビも存在していて、青い光を放つ自走する円盤型のロボットとして登場します。

この設定だけでも十分おもしろいのですが、さらにもうひとひねり。過去カードを使ってゲームの空白の時間を矛盾がないように埋めなければなりません。

過去に戻ってうんぬんというのは、ちょっと複雑にしすぎだと思いました。
床に書かれた図形をショッピングモールに見立ててゾンビゲームをさせられるという設定だけでも十分におもしろい小説になったのではないでしょうか。

それはともかく、作者の土橋真二郎さんはこの手の脱出ゲームモノや殺人ゲームモノを
書き慣れているだけあって、状況説明や人物紹介が手慣れておりストレスを感じさせません。
登場人物たちが密室に閉じ込められてゲームをさせられるというシチュエーションが
好きな方にはおすすめの小説です。

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