『造花の蜜』感想

造花の蜜
造花の蜜
ミステリでは、AはBだと思っていたが、実はAはCだったと読者を誤読させることがよくあります。
『造花の蜜』の作者の連城三紀彦は、このタイプの誤読させる技術が日本で一番の人だと個人的には思っています。

さて、『造花の蜜』は誘拐ものミステリです。ですが、犯人の要求が普通ではありません。

「身代金はそちらの言い値で良い」と信じられないことを電話で告げ、さらには「身代金の受け渡し場所もそちらに任せる」などと誘拐犯のセオリーを逸脱したことをうそぶきます。

中盤から連続するどんでん返しのラッシュには、ただただ驚くばかり。最終的にとんでもないところに事件は着地します。小説にサプライズを仕掛けるとどこかに無理が出てくるものですが、この作品にそのような瑕疵は見あたりません。連城三紀彦おそるべし。

創作物にひねりやどんでん返しを仕掛けたがるくせがあるのは、まちがいなく連城先生の影響を受けているからです。先生の百分の一、いや千分の一でもいいからその才能が欲しいと何度思ったかわかりません。
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