2016年に読んだ本で一番おもしろかったのはこれ『戦場のコックたち 』

戦場のコックたち
戦場のコックたち
posted with amazlet at 17.07.10
深緑 野分
東京創元社
売り上げランキング: 41,513

 2016年に読んだ本で一番おもしろかったのは、2016年本屋大賞7位になり、直木賞の候補にも挙げられたこの本です。第二次世界大戦のアメリカ兵を主役にした戦場のミステリもの。

 分類としては日常ミステリになるのでしょうけど、ミステリの要素はどんどん希薄になっていきます。ちゃんとミステリとして機能していたのは、戦場では貴重な酒と降下兵のパラシュートを交換するのはなぜか?という謎くらいでしょうか。

 でもこの小説は、単純にヨーロッパ戦線で戦う兵士としての話がおもしろいからいいんです。ユーモアのある明るい少年を主人公にしているから戦争の暗さもありません。

 脇役たちも個性豊かで楽しいのですが、戦争なので結構悲惨な目にあいます。あるキャラが死んだときは、完全に主人公に同調して「嘘だと言ってくれ!」と心の中で叫びました。告白すると、めっちゃ泣きました。本を読んで泣いたのは久し振りです。

 いくつか軍事についてのミスがあるので、ミリタリー好きの人にはおすすめできませんが、
それ以外の方には文句なしのおすすめ本です。

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願い事の拡張性がおもしろい『スタープレイヤー』

スタープレイヤー (単行本)
恒川 光太郎
KADOKAWA/角川書店
売り上げランキング: 259,339

謎の男のくじ引きで一等を当てると異世界に飛ばされる。その時、願い事を叶えられる星を十個与えられる。
願い事といえば三回が定番なのですが、十回かなえられるというのは目新しいですね。
願い事の拡張性の高さがこの小説のおもしろいところです。

例えば、チャーハンを食べたくなったとします。
ただチャーハンが欲しいと願い事をするより、チャーハンラーメンセットが欲しいと願えば、ラーメンもついてお得です。
さらに、椅子とテーブルをつければもっと得。どうせなら、店ごとお願いすれば住居も手に入ります。
なんなら、一年分の非常食と水を注文すればもっともっと得です。
何の関連性のない願い事であっても、具体的であれさえすればかなえられます。欲しいなら武器も。
やろうと思えば街ひとつを創り出すこともできます。

読むまでは、あの『夜市』の恒川光太郎が、流行の異世界召喚モノを書いたのかくらいにしか思わなかったのですが、
いやあ、おもしろい。これはおすすめです。
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