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『造花の蜜』感想

造花の蜜
造花の蜜
ミステリでは、AはBだと思っていたが、実はAはCだったと読者を誤読させることがよくあります。
『造花の蜜』の作者の連城三紀彦は、このタイプの誤読させる技術が日本で一番の人だと個人的には思っています。

さて、『造花の蜜』は誘拐ものミステリです。ですが、犯人の要求が普通ではありません。

「身代金はそちらの言い値で良い」と信じられないことを電話で告げ、さらには「身代金の受け渡し場所もそちらに任せる」などと誘拐犯のセオリーを逸脱したことをうそぶきます。

中盤から連続するどんでん返しのラッシュには、ただただ驚くばかり。最終的にとんでもないところに事件は着地します。小説にサプライズを仕掛けるとどこかに無理が出てくるものですが、この作品にそのような瑕疵は見あたりません。連城三紀彦おそるべし。

創作物にひねりやどんでん返しを仕掛けたがるくせがあるのは、まちがいなく連城先生の影響を受けているからです。先生の百分の一、いや千分の一でもいいからその才能が欲しいと何度思ったかわかりません。
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『1/2の騎士 』感想

1/2の騎士 (講談社文庫)
1/2の騎士 (講談社文庫)
喘息持ちで同性愛者の女子高生と女装した美少年幽霊のコンビが主役の連作短編です。
某所で強烈に薦められていたので手にとってみました。
主役二人が挑む異常犯罪者たちの引き起こす事件の質が高く、冗長系一人称ライトノベルな文章もそのうちに気にならなくなりました。

たとえば「ドッグキラー」。こいつは盲導犬ばかりを狙う異常犯罪者で、死んでいく犬と為す術もなくそばにいるしかない飼い主を近くから観察するというとんでもないやつです。

「インベイション」。家に何か仕掛けられている。いくら探しても盗聴器も隠しカメラもみつからない。でも違和感だけはある。「インベイション」がした“何か”には驚きました。決して荒唐無稽なのではなく、もしかしたらあるかもと思ってしまうのが恐ろしい。

『1/2の騎士』は、犯罪者たちの独創とそれを突き崩す謎解きのおもしろさを兼ねそろえたすばらしいミステリですが、青春小説としてのおもしろさも見逃せません。全ての謎が明かされるラストシーンでは、多くの読者が涙を流したのではないでしょうか。

サカつく7発売決定

『サカつく7』が2011年夏にPSPで発売!
夏が楽しみです。……今度はバグがありませんように。
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