願い事の拡張性がおもしろい『スタープレイヤー』

スタープレイヤー (単行本)
恒川 光太郎
KADOKAWA/角川書店
売り上げランキング: 259,339

謎の男のくじ引きで一等を当てると異世界に飛ばされる。その時、願い事を叶えられる星を十個与えられる。
願い事といえば三回が定番なのですが、十回かなえられるというのは目新しいですね。
願い事の拡張性の高さがこの小説のおもしろいところです。

例えば、チャーハンを食べたくなったとします。
ただチャーハンが欲しいと願い事をするより、チャーハンラーメンセットが欲しいと願えば、ラーメンもついてお得です。
さらに、椅子とテーブルをつければもっと得。どうせなら、店ごとお願いすれば住居も手に入ります。
なんなら、一年分の非常食と水を注文すればもっともっと得です。
何の関連性のない願い事であっても、具体的であれさえすればかなえられます。欲しいなら武器も。
やろうと思えば街ひとつを創り出すこともできます。

読むまでは、あの『夜市』の恒川光太郎が、流行の異世界召喚モノを書いたのかくらいにしか思わなかったのですが、
いやあ、おもしろい。これはおすすめです。
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センスの良い会話が気持ちいい『僕と君の大切な話』

僕と君の大切な話(1) (KC デザート)
ろびこ
講談社 (2016-03-11)
売り上げランキング: 5,417

美人の相沢さんと眼鏡イケメンの東君の会話劇。
男と女の考え方の違いをうまいこと笑いにしています。
主人公二人がしゃべっているだけでこれだけおもしろいものを描けるなんてすごい才能ですね。

伝説のハガキ職人の自伝『笑いのカイブツ』

笑いのカイブツ
鍛錬の末に5秒に1回ボケを作れるようになった伝説のハガキ職人の自伝的小説。
磨き上げたその笑いの才能を劇場の座付き作家として発揮しようとするのですが、
あまりにもコミュニケーション能力がないためにうまくいきません。
同僚の作家見習いとの人間関係を失敗してお笑いの世界を追い出されてしまいます。誰よりも才能があるのにお笑い界にいることさえできず、それでもネタを書き続ける日々が描かれます。
重版出来!を読んだ方なら中田伯の天才性とコミュ障っぽさをもっと極端にしたのがこの作者というとわかりやすいでしょう。

作者に興味をもってくれていっしょに飲みにいくピンクやトカゲといった人物は、ひょっとして作者の孤独が生み出した妄想の産物ではないかと思うほど笑いに狂っていて、そして絶望しています。はっきり言って読むのがつらかったです。

最後にちょっと救われて終わるのかなと思っていましたが、全然そんなことはないという……。
万人におすすめというわけではありませんが、私はこの本を読めてよかったと思います。


一人だけ目をかけてくれる芸人がいて、作中では名前がでてこないのですが、これがどうやらオードリーの若林さんらしいのです。
オードリー・若林が語る「ハガキ職人・ツチヤタカユキという男」
この話もおもしろいのでぜひ!

いまさら2016年に読んでおもしろかった本をまとめてみました

あくまで2016年に読んだ本ですので、2016年発売でない本もあります。


じけんじゃけん! 1 (ヤングアニマルコミックス)
安田剛助
白泉社 (2016-10-28)
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一言でいうと、ミステリ板「だがしかし」です。話ごとのページ数が少ないのが残念。もうちょっと枚数が多ければいろいろネタを入れられると思うのですが。



ウチの使い魔がすみません(1) (アフタヌーンコミックス)
講談社 (2016-09-07)
売り上げランキング: 13,996

悪魔の女の子とその使い魔の人間のおっさんが魔界を旅する話。人間のおっさんは魔物の研究者なんですが、研究への情熱がほとばしりすぎていて笑えます。魔物の生態にも一ひねりしてあって良いです。



吸血鬼すぐ死ぬ(1)(少年チャンピオン・コミックス)
盆ノ木 至
秋田書店 (2015-12-08)
売り上げランキング: 30,606

タイトルどおりすぐ死ぬ吸血鬼が主人公。虚弱すぎる吸血鬼ギャグで終わらず、意外にネタの幅が広い。笑えます。



満願
満願
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米澤 穂信
新潮社
売り上げランキング: 10,227

久し振りに米澤先生の本を手に取ってみたら「この人こんなにうまくなっていたんだ!」と驚いた短編集。どの話もとにかく語り口がすばらしい。そう話がつながるのか!と驚かされました。



戦場のコックたち
戦場のコックたち
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深緑 野分
東京創元社
売り上げランキング: 33,121

2016年に読んだ本で一番おもしろかったのは、直木賞の候補に挙げられたこれがダントツです。第二次世界大戦のアメリカ兵を主役にした戦場のミステリもの。これは単独で感想を書こうと思います。

『エンバンメイズ』感想

エンバンメイズ(1) (アフタヌーンコミックス)
めちゃくちゃ久し振りの更新ですね。

一言でいうと、嘘喰いの雰囲気でするダーツバトルマンガです。
狙ったところに百発百中させるダーツの達人同士の戦いなので、単純なダーツ勝負では決着がつきません。
ではどうするかというと、特殊なルールやギミックが追加されたダーツ対決を行うのです。

さらに主人公の烏丸徨は、相手を心理の迷宮に誘いこんで心理的に潰すことを得意としています。
この心理戦部分がなかなかうまくて読ませるのです。
ダーツという素材でこれだけおもしろいマンガを作れるのかと本当に感心しました。

心理戦の要素のあるマンガが好きな方になら文句なしにおすすめできるマンガだと思います。
個人的には、4巻にあった千台のダーツマシンを並べて迷宮を作り、どちらが先に千台のマトを射抜けるかという勝負が好きです。
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